ゆれる影の記憶
ガラス絵を使用したインスタレーション。2024年制作。 全体の展示サイズ2,200×2,400×1,300
吊り下げられているのは、みつろうで着色されたガラス絵。ガラス絵は会場の振動や風で小さくゆれる。壁の影もゆれる。
次第に視線は壁に映った影を追いかけはじめる。
風にゆれる葉の影か?夕日に伸びた影か?砂浜に落ちた滴の跡か?
私はゆらぐ影に追憶のありし日を見る。
再びガラス絵に視線が戻る。ふと、今、ここにいる自分に気づいた。
この作品は、20〜30代の頃によく通っていた湘南の海をモチーフに製作しています。
記憶に深く残っているのは、海から見た夕陽と波しぶき。それをモチーフに、ガラス絵を制作しました。ガラス絵の影がゆらゆらとゆれる幻想的な姿に、ひととき、今を忘れて追憶の日を思いました。「現在と過去を行き来する。」この不思議な感覚を共有したいと思いました。
各部紹介
それぞれのガラス絵は、「アップサイクル。」シリーズとして展開している作品群で、この作品では不要になった額のガラスを使用して制作しています。各ガラスのサイズは265×310〜315×435。
■作品ディティール
蜜蝋を溶かすことでできる形が、自然と水しぶきのように見える。小さな粒子の粒々が光の粒を表現しています。
■影
影にもガラス絵の色がうっすらと反射する。